ChatGPTを開くたびに「私は副業でブログを書いていて、読み手は初心者で、丁寧語で、箇条書きは少なめで……」と同じ前置きを打ち直している。その打ち直しに毎日3分使うと、1年で18時間を超えます。
カスタム指示は、その前置きを設定欄へ移しておく機能です。ここで扱うのは2つだけ。そのまま貼れるおすすめの中身と、貼ったのに効かないときの確かめ方。
先に結論を書きます。おすすめは、思いついた条件を全部盛ることではなく、毎回打っている前置きだけを移すことです。保存できる上限は最大でも5,000文字しかなく、盛るほど条件同士がぶつかります。
収入の実績や「これで月◯万円」といった話は出しません。根拠を示せない金額を書かない方針なので、使うのはOpenAIの公式ヘルプに書いてある内容だけです。
ChatGPTのカスタム指示とは?おすすめ例を見る前の前提
カスタム指示は、ChatGPTに毎回伝えたい前提を設定欄へ登録しておく機能です。登録した内容はすべてのチャットにすぐ適用され、Web・デスクトップ・iOS・Androidのどれでも、すべての料金プランで使えます※1。
この「すぐ適用される」が変わったのは2025年11月7日でした。それ以前は、書き換えても反映されるのは新しい会話だけで、開いている会話には効きません。同じ日の更新で、設定を変えた瞬間に既存の会話も含めて反映される形になりました※2。
【未確認】ひとつ、公式ページの中で書きぶりが割れている箇所があります。同じヘルプ記事の本文には「すべてのチャットにすぐ適用される」とあり、下のよくある質問には「更新は今後の会話にだけ反映される」という記述が残ったままです※1。どちらが現在の挙動か、こちらでは確かめられていません。更新履歴の日付が新しいほうを本記事は採っていますが、確定した情報として扱わないでください。
ChatGPTのカスタム指示はどこで設定する?パソコンとスマホの入口
パソコンでは、設定(Settings)を開いてパーソナライズ(Personalization)を選び、カスタマイズを有効にするトグルをオンにしてから、カスタム指示(Custom Instructions)の欄に書き込みます。スマホは入口の名前が違い、設定の中の「Customize ChatGPT」から同じ欄にたどり着きます※1。
順番が入れ替わると空振りします。トグルを先にオンへ、欄に書くのはその後。公式の手順もこの並びで書かれています※1。
【未確認】日本語表示にしたときの項目名までは確かめていません。公式ヘルプが英語のため、上のかっこ内は原文です。日本語の画面では、設定 → パーソナライズ → カスタム指示に当たる位置を探してください。
パーソナライズが独立したウィンドウではなく設定の中へ入ったのは2025年9月15日の更新で、このとき性格の選択やメモリの管理も同じ画面へまとまりました※2。
ChatGPTのカスタム指示は何文字まで?おすすめの分量の決め方
保存できる上限は、無料プランとGoが1,500文字、Plus・Pro・Enterprise・Business・Educationが5,000文字です※1。おすすめは上限まで埋めることではなく、毎回打っている前置きだけを移して、余白を残す形にすること。
この5,000文字は2026年7月15日に引き上げられた数字で、それまでは有料プランも1,500文字でした※2。3倍以上に広がったぶん、詰め込む余地も一緒に広がっています。
【推測・確信度中】条件を増やすほど守られにくくなる、という話はよく耳にしますが、OpenAIが文字数と追従率の関係を公開した資料は見つけられませんでした。ここは自分の作業で確かめるしかない部分です。
分量の決め方としては、次の4つだけ書く形を推します。
- 立場:何をしている人か(例:副業でブログを書いている会社員)
- 読み手:出てきた文章を最後に読む相手は誰か
- 形式:長さ、見出しの有無、箇条書きの多さ
- 禁止:やられて困ることを2つか3つだけ
禁止を4つ以上並べると、指示同士がぶつかりはじめます。公式のプロンプトの手引きも、明確で具体的に書くことと、一度で決めずに出力を見ながら直していくことの2点を挙げています※4。
【コピペ可】ChatGPTのカスタム指示のおすすめ例文5つ
副業でよく出てくる場面ごとに、そのまま貼れる形で並べます。5つ全部を貼るのではなく、自分がいちばん多く使う場面の1つを選んで貼り、2週間ほど使って直していく順番を推します※4。
1. 下調べを頼むとき
調べ物でいちばん困るのは、出典のない断定が混ざることのほうでした。
貼る文:私は副業で個人ブログを書いています。事実と推測を必ず分けて答えてください。確認できた事実には出典元の名前を添え、確認できていないことは文頭に「未確認」と書いてください。分からないことは埋めずに「分からない」と答えてください。
2. 記事の下書きを書かせるとき
貼る文:読み手は、その分野を今日はじめて調べた人です。専門用語には初出でかっこ書きの言い換えを付けてください。1段落は3文までにしてください。結論を先に書き、理由をその後ろに置いてください。私が体験していないことを、体験したかのように書かないでください。
3. 提案文やメールを整えるとき
貼る文:宛先は初めて連絡する相手です。件名は20文字以内、本文は300文字以内にしてください。誇張した表現と、根拠のない数字は使わないでください。最後に、送る前に私が直すべき点を3つだけ挙げてください。
4. 数字を扱わせるとき
貼る文:数字を出すときは、計算の途中式も一緒に書いてください。出典が示せない数字は書かず、「出典が見つからない」と答えてください。単位(円・%・年)を必ず付けてください。
5. 学びながら使いたいとき
貼る文:答えを出したあとに、私の質問の問題点を1つだけ指摘してください。次に同じことを聞くとき、どう聞けば早いかを1行で添えてください。おだてる前置きは要りません。
5つに共通しているのは、やってほしいことよりやられて困ることを先に書いている点です。前置きの打ち直しが減ったのは、たいてい禁止のほうを足した回でした。
ChatGPTのカスタム指示が効かないときの確認手順
貼ったのに反映されないときは、文章を練り直す前に入口を4つ確かめます。トグル・一時チャット・プロジェクト・APIの4つ。ここで止まっている場合、書き方をいくら直しても変わりません。
トグルがオフになっていないか
公式の手順では、欄に書く前に「Enable customization」をオンにする工程が入ります※1。欄に文字が残っていても、トグルがオフなら効きません。
一時チャットを使っていないか
一時チャット(履歴に残らない会話)は、既定でカスタム指示もメモリも使わない形です。2026年8月27日の更新で、会話を始めるときにパーソナライズするかどうかを選べるようになりました。ただし選べるのは始める瞬間だけで、途中から切り替えられません※2。
プロジェクトの中で書いていないか
プロジェクトには、そのプロジェクト専用のカスタム指示があります。2024年12月13日に追加された機能で、ファイルと指示をまとめて共有する作りです※2。全体の設定とは別に効くため、両方に書くと原因が見えにくくなります。
APIから呼んでいないか
カスタム指示はChatGPTの画面の機能で、APIには用意されていません。同じことをしたい場合はChat Completions APIのシステムメッセージを使うよう、公式が案内しています※1。
何が出力に効いたのかは、回答の下にある本のアイコンから開けます。カスタム指示・過去のチャット・ファイル・メモリのうち、どれが使われたかが並びます※3。2026年5月5日に全プランへ広がった仕組みです※2。
ChatGPTのカスタム指示とメモリ、おすすめの使い分け
公式の案内は、はっきり伝えたい指示はカスタム指示へ、会話の中で自然に出た情報はメモリへ、という分け方です※3。自分で管理したい前提だけを設定欄に置き、残りは任せる形になります。
メモリの入口は、設定のパーソナライズの中のメモリ。何を覚えているかは要約の画面で読めて、要約の下の入力欄に直したい内容を打つと反映されます※3。
目安は、消したくない前提かどうかの1点だけ。文体や禁止事項のように毎回同じものはカスタム指示、住んでいる地域や進行中の案件のように移り変わるものはメモリへ回す。【推測・確信度中】この線引きは公式が明文化した基準ではなく、上の案内文からこちらで解釈したものです。
まとめ:ChatGPTのカスタム指示のおすすめは前置きの引っ越し
会社員だったころ、1時間そこにいれば給料が出るという感覚で働いていました。個人事業主になって完全歩合の世界へ移ったとき、その感覚が抜けるまでにずいぶんかかりました。誰も、待っている時間には払ってくれません。
副業の時間は、その完全歩合に近い形をしています。前置きを打ち直した3分は、どこからも戻ってきません。カスタム指示は、その3分を設定欄へ引っ越させる機能です。
やることは3つだけ。毎回打っている前置きを1つ選ぶ。禁止を2つか3つ足す。2週間使って、守られなかった行を消す。上限の5,000文字を埋める作業ではありません。
出典
- ※1 ChatGPT Custom Instructions(OpenAI Help Center)
- ※2 ChatGPT — Release Notes(OpenAI Help Center)
- ※3 Memory FAQ(OpenAI Help Center)
- ※4 Prompt engineering best practices for ChatGPT(OpenAI Help Center)